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健康

「家の中の温度」と「健康」には大きな関連性があります

日本で言われていること

・温暖な四国では高断熱高気密はいらないし、部屋があたたかいと体がなまって人間としてダメになる・・・
「 家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。 」 と徒然草にあるとおり、日本では 家は(冬より)夏を重視して建てたほうがよい

世界の常識

・室温と健康は関連性がある
・寒い家に住むと健康を害する

2015年1月9日の日経新聞は衝撃でした。
全国紙で、室温と健康についての関連性について記事が掲載されたのです。

2015年1月9日日経新聞

日本の住宅なぜ寒いの?「日本は家の中も寒いので、冬の生活はカナダより厳しいです」

という見出しから始まるのですが、内容もとてもためになる記事ですのでご一読頂けたら幸いです。
その中でも香川県民にとってショックだったのは↓の表でした。

「冬の寒さによる病気の自宅死亡率」なのですが、心疾患、脳血管疾患において四国がナンバー1(ワースト1)という調査結果がでているのです。

その内容の元データが↓

「外気温による影響が大きい県」ランキングの上位にあるのは四国や九州、近畿地方、温暖地域の県が名を連ねています。

逆に「影響が少ない県」では、圧倒的に北海道で疾患や溺死が少ないという結果でした。
日本で一番冬が寒い北海道が一番ナンバー1なのです。
また、日本一冬の室温が高いのは北海道と言われています。

2012年1月にウェザーニューズ社が行った「部屋の温度×セツデン調査」によると、1月の室温の高さは、北海道が20.73度で全国1位でした。

1月の室温アンケート結果  出典:2012年1月ウェザーニューズ調べ(回答者数2万3089人)

また、室温が20度を超えている4道県のうち、3/4が北海道・東北でした。
この結果を見て、室温と健康の関連性についてのあるかないか判断するのはそれぞれ考えと思いますが、この事実は知っていて頂きたいことです。

また、世界的には関連性があると考えられているところが多いと言われています。
2009年にはWHOの報告書で「室内の寒さの健康に対する影響」が指摘されています。健康への意識の高いイギリスでは20℃の室温が基本的人権とされています。

イギリス保健相 冬季の室温指針

2006年に施行されたHHSRS(住宅における健康と安全の指針)では、室温の寒さや暑さが評価項目に含まれていて、その基準を満たしていない賃貸のオーナーには改善、閉鎖、解体の指導がされます。

また、医療制度の考え方も真逆です。

・欧米の医療制度
国民健康サービス「成功報酬型」「予防医療型」
==>人が健康になるほど、医療機関側の収入が増える
   病人が増えたり薬を出さないといけなくなるとペナルティ!

代表例:イギリスのかかりつけ医制度
 National Health Service, NHS
その人が住んでいる住所から徒歩圏内にあるGeneral Practitioner(GP:家庭医/一般医/総合診療医)をかかりつけ医として選択し、医師あるいは診療所に登録を済ませる(General medical services契約)[1]。医療サービスを受けたい場合には、まずGPに受診するために予約をし、診療を受けることになる。GPはプライマリ・ケア(よく見られる症状・疾患の治療・管理・予防)を担当しており、必要に応じて専門医(Consultants)を紹介する[1]
出典:Wikipediaより抜粋

それによって、国民を健康にし、医療費を削減しているんですね。

・日本の医療制度
国民皆保険制度で「出来高払い」
医療サービスが増えるに従って費用が支払われる
==>診療を受けたり、入院したり、薬をたくさん出すと報酬が増える

アメリカの最低室温規定 出典:APWカタログ YKK-AP

また、アメリカでも気温が低い北東部等で「最低室温規定」が決められている州があります。

さて、交通事故でどのくらい亡くなれているかご存知でしょうか。
ピークの昭和40年代には年間16,000人を超えていましたが、飲酒運転の撲滅や安全装備の普及等で、現在年間5,000人を切っています

平成30年度の死者数は3,532人でした。

それに比べ、家の中で死亡している方はどうでしょうか?
東京都健康寿命医療センター研究所によると、17,000人の方が1年間に亡くなっているとのことです。

なんと、室内の温度差が原因のヒートショックで交通事故の3倍以上の方が亡くなっていることになります

出典:東京都健康長寿医療センター研究所パンフレットより

最近、「熱中症」で倒れたり亡くなったりすることがニュースになっています。
確かに熱中症の死亡者は増えていますが、ほとんどの年が1000人まで。
ヒートショックの被害のほうが甚大なのです。

逆に言うと、ヒートショックで亡くなることがニュースにならないほど普通といえるかもしれません。

月別の死亡割合は冬場に死亡者が増える傾向にあり、これは今も変わらないそうです。
人生の約2/3は家の中で過ごしているそうです。
ぜひ、この事実を知っていただき、新築をする際に検討するだけではなく、リフォームや日々の生活に参考にしていただき、健康で(寝たきりにならず)長生きするのに役立てば幸いです。

<閑話休題>
健康だけではなく、温熱に関するところは家づくりでの不満の上位を占めます