passive=受け身
「passive」とは受動的という意味で、その反対の言葉は「active」=能動的ということです。
代表的なのは「パッシブソーラー」でしょうか。
エアコンに代表されるアクティブなエネルギーによって冷暖房するのではなく、冬は太陽の日射を建築的な工夫によって取り入れ、それによって暖房する。
また夏は、建築的な工夫で日射をさえぎって、室温が上がるのを防ぐ。
香川県は瀬戸内海気候区に属し、 年間を通じて降水量は少なく日照時間数が多い 地域です。
無料の太陽エネルギーをうまく活用しない手はありません。
↑は12月の室内の写真ですが、部屋の奥まで日射が入っています。
南面に大きな窓を取り、たくさん日射を取得するのがセオリーです。
ガラスもより多くの日射を取得できるものを選びます。
パッシブハウスジャパン理事、松尾和也さんが執筆された「ホントは安いエコハウス」にはわかりやすい説明がされています。
一間(1820×2000)の掃き出し窓からは554Wの熱が室内に入ってきます。
一般的な電気ストーブは弱で400W、強で800Wですので、掃き出し窓一つで、電気ストーブをつけているのと同じくらいの効果があるのです。
私たちがお奨めしている高性能な建物だと、これで十分暖かくなります。
夏は逆で、遮蔽することが大事になります。
同じ1間の掃き出し窓から647Wもの熱が入ってきてしまいます。
これだと、電気ストーブ1台をつけながら冷房しているようなものです。
なので、太陽高度が下がり日射が入ってくる9月~10月に電気代のピークを迎える建物も多いです。
外気温が下がっているのに電気代が上がるのは、日射がより入っているのが原因です。
庇によって日射を遮蔽すると53Wと90%も熱が入るのを防いでくれます。
しかし、庇だと東西の窓や朝夕の太陽高度が低いときに入ってくるのを防ぐことができません。
その時は外付のロールスクリーンや外付ブラインドが効果的になります。
日射の遮蔽は窓の外側で行うのが効果的です。
セイキ サングッドⅡ
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パッシブデザインを数値で確認
パッシブとは自然が相手で、ある意味曖昧なものかもしれませんが、数値で確認することができます。
建もの燃費ナビでは、全国のアメダスデータが搭載されており、その気象データを元に適切なパッシブ設計を行い数値で確認することができます。
「暖房期の窓からの日射取得量と熱損失」が数値としてプランニングや窓の大きさや配置が適切かどうか確認することができます。
また、適正ななサッシの性能やガラスも選択して設計を進めることができます。
あくまでシミュレーションですが、とても大事なことです。