ページのトップです
採用情報

ブログ

地震に強い家づくりのキホン~耐震・制震・免振

1995年の阪神淡路大震災では6000人以上の方がなくなるという甚大な被害となりました。
その死因の71%が建物、家具による圧死でした。
よって、大地震の際の被害を減らすためには建物の耐震化や家具の固定がとても大事なことは明らかです。

一般論として基本ですが建物の地震対策は3つあります。
「耐震」「制震」「免振」です。
ハウスメーカーさんで〇〇工法等ありますが、どれかの手法に当てはまります。

出典:M’s構造設計「構造塾」資料

・耐震
建物を「固めて」極力変形しないようにして、地震の揺れに「耐える」ことによって、倒壊・損傷を防ぎます。。
※建物の変形が大きくなると、倒壊してしまいます。

・制震
制振装置をにより地震の揺れを「吸収し」、共振して建物の変形が大きくなるのを防ぐことによって損傷するスピードを抑え、倒壊・損傷するのを防ぎます。
よって、耐震によって建物を固めるのが大前提になります。

・免振
免振装置によって地震の揺れを建物に「伝えない」ことによって倒壊・損傷を防ぎます。

よって、そもそも地震の揺れを伝えず、家具も倒壊しない免震構造が一番優れているように思われますが、
①コストが高い
②軽い木造には向かない
ため、木造住宅では普及していません。

木造住宅は軽いため、大きな台風の際に免振装置がついていると建物が揺れてしまう可能性があり、設計が難しくあまり製品化されていないようです。
(決して悪いものではありません)

出典:M’s構造設計「構造塾」資料

2016年の熊本地震では震度7が2回、数えきれない震度6という激震が襲いました。
多くの古い建物に混ざって、2000年以降に建てられた築浅の建物の倒壊があったことが衝撃的でした。
その中で、耐震等級3の建物は激震に耐え、そのまま住み続けることができています。

そのことから、耐震等級3の性能を担保することによって、熊本地震レベルの激震は建物は損傷しないことが実証されました。
しかし、これから起こる地震が熊本地震レベルという保証はありません。

耐震等級3はマストと考えますが、ハウスメーカ等で採用されている品確法での耐震等級3以上の性能をコストと相談しながら余力を高めることは極力したほうが良いと思います。