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石井式リスニングルームつくりました

石井式リスニングルームとは、 松下電器産業(現・パナソニック)で長年ハイファイ・オーディオ機器開発に携わってきた石井伸一郎氏が提唱する考え方です。

お施主さまは、音響に造詣が深く、長年仕事でも音響関係に携われており、知識がすごく教えていただきながら、何とか計画し完成させました。
そのお施主さまがリスニングルーム付きの建物をを建てるにあたって、採用されたのが石井式でした。

リスニングルームの音響学

石井 伸一郎 (著), 高橋 賢一 (著)

一例でいうと、理想的な部屋の縦横高さの比が決まっており、それによって部屋の大きさや、天井の高さが決まってきます。
今回のリスニングルームは天井高さが一番低いところで約4.1m、高いところが4.6mに設定されいます。(理想的な勾配をつけています)


この大空間の安全性を担保するために、許容応力度計算で安全性の検討を繰り返しました。

今回の施工図

また吸音面積と、反射面積の比も大事になってきます。
吸音する断熱材の種類や厚さ、納まりも音響のためには大事になってくるので、かなりこったつくりになっています。
反射壁の素材のセレクトも肝になってきます。

反射面と吸音面

当初、依頼を頂いた際はリスニングルームのノウハウがないということは正直にお伝えしたのですが、お施主さまより教えていただけるということで、始まったプロジェクトでした。
音響だけではなく、照明についても同じLED照明でも色の再現性が器具の選定によって全然違うこと等、色々と専門家に教えていただきとても勉強になった建物でした。
(現場の方は大変だったと思いますが・・・)

温熱環境や冷暖房設計は経験があるので想定が付きますが、リスニングルームはうまくいくかどうかやきもきしていました。
お引き渡しして数か月、リスニングルームは成功とのことでとてもホッとしています。